センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム

大阪大学総長 西尾 章治郎

大阪大学総長の西尾です。

 文部科学省は、平成25年度に「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」を創設し、本格的にスタートさせました。このプログラムは、将来社会のニーズに応え、あるべき社会の姿、暮らしの在り方を設定し、それらを基に10年先を見通した革新的な研究課題を特定した上で、既存分野・組織の壁を取り払い、企業だけでは実現できない革新的なイノベーションを産学連携で実現していくものです。

 大阪大学COI拠点は、全国に18ある拠点のうちの一つ「人間力活性化によるスーパー日本人の育成拠点」として採択されました。本拠点には、大阪大学、サテライトの金沢大学の他25企業、11研究機関が参画しており、企業と大学研究者とが
under one roofのコンセプトのもと、大阪大学キャンパス、金沢大学キャンパスに集結し、本拠点の最大の強みである「医学」「脳科学」「理工学」の連携、また産学連携を活かし、「ハピネス社会の構築」をテーマに掲げ、画期的な研究成果を社会実装していくこと目指しております。

 大阪大学は、大学が有する多様な「知」を協奏させ、また卓越した「知」を教職員・学生が共に創出、つまり共創することにより、「知の協奏と共創」でイノベーションを起こし、社会や世界に貢献していくことを目指しておりますが、本プログラムにおいても大学、企業、研究機関がそれぞれの垣根を越え、under one roofで知を協奏、共創させることにより革新的なイノベーションを創出できるものと信じております。 10年先の「ハピネス社会の構築」の実現を目指し、大学一丸となって努力して参りますので、引き続き皆様方のあたたかいご支援を宜しくお願い申し上げます。

金沢大学長 山崎 光悦

 金沢大学子どものこころの発達研究センターは、大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学・小児発達学研究科連合大学院により医科学・社会心理学・教育支援学を統合した学際領域での教育研究に取り組み、自閉症関連遺伝子の探索、オキシトシンによる臨床試験、世界に先がけて開発した小児用脳磁計(MEG)とそれを用いた研究において大きな成果を挙げてきました。

 COI拠点「人間力活性化によるスーパー日本人の育成と産業競争力増進/豊かな社会の構築」へのサテライト拠点としての参加は正にこの成果によるものであり、同時に、本学が目指す領域融合の一翼を担っていくと考えております。本サテライトは、センターを中核に東京大学、大阪大学、金沢工業大学、国立精神・神経医療研究センター、株式会社PFUにご参画いただき、遺伝子レベルの解析から脳画像研究、そして行動分析まで、包括的で先進的な研究を実施いたします。拠点が掲げる「人間力検知・活性化システム」の着実な社会実装を進めるため、拠点大学・参画企業と一丸となって取り組む所存です。

パナソニック株式会社フェロー 上野山 雄

 大阪大学が、サテライトの金沢大学とともに革新的イノベーション創出プログラムの拠点として採択されました。テーマは「人間力活性化によるスーパー日本人の育成と産業競争力増進/豊かな社会の構築」であり、これは潜在能力が普段から発揮でき、ひとりひとりが最高に輝くハピネス社会の実現に向けて貢献して行くものです。 そのために医学系、脳科学系、生命科学系、理学系、工学系の大学の研究部門と社会実装を担う企業とが、under one roofのもと、一丸となって連携し研究開発を行います。

 日本人はプレッシャーに弱いとか、いざという時に力が発揮できないとよく言われます。潜在能力が発揮できればそれらを克服出来るものと思われます。そのため、ストレスや人の個性などの精密な状態検知の研究開発を行い、普段でも本来の力が発揮出来るよう負担のない簡易検知手段や活性化手段を創出します。本プロジェクトの特徴は、それらの手段が脳科学に基づいたものであるということです。そして個人の活性化だけでなく組織の活性化においても脳科学を駆使し貢献してまいります。

 10年後のハピネス社会を目指すため、過度なストレス状態を開放し、さらなる脳の活性化を目指す「健康分野」と、コミュケーションの質を高め組織を活性化する「教育分野」に、意欲を高める活性化空間を提供し、社会実装を実現していきたいと思います。

大阪大学産業科学研究所教授 松本 和彦

 大阪大学COI拠点は「人間力を活性化してスーパー日本人を育成する」という高邁な目標を掲げています。このテーマは従来の科学技術では顧みられていなかった「人間を元気にする」、「人間の幸せに迫る」という極めて難しいテーマです。この難しいテーマに対して、大阪大学COI拠点と金沢大学COIサテライトが有する医学、脳科学、理工学の全叡智を総合的に結集して不撓不屈の精神で目標を達成します。

 大阪大学COIでは、日本で唯一の7テスラの機能性核磁気共鳴画像診断装置を使って詳細な脳機能の解明を行い、情報処理技術で培ったデータマイニング技術を活用して脳内ネットワークの解明を行い、脳と人間の状態を把握します。またナノテクノロジーやフレキシブルエレクトロニクスを活用して、簡易な脳波計や心電計を形成し、より簡易に常時モニターできるシステムを構築します。この簡易情報と核磁気共鳴で得られた詳細な情報との関係を明確にし、人間状態を常にモニターし人間力を活性化する手法を導入し、社会へ実装化します。さらにより早い社会への実装化の為に、世界最大のナノテクコンソーシアムであり大阪大学COI拠点の参画社であるimecとの連携を強化しています。

 また大阪大学は世界最高峰の免疫学の学府であるという特長を活かし、ストレス症候群の人たちから、新たなストレス物質の抽出や、ストレス物質と人間状態の関係を調べ、より簡便なストレス測定方法の開発を行います。この結果を基にストレスを軽減する音楽や深睡眠による活性化手法を導入し、人間力を活性化します。

 更に大阪大学COI拠点は、人の活性化だけでなく、社会や学校、団体スポーツの活性化、すなわち集団としての活性化を達成します。親子の対話、ビジネスでの現場、学校での先生と生徒のコミュニケーションの度合い、団体スポーツでの各選手の動きと相互関係などをモニターし、その関係が最適になる解を見いだします。この最適解を見いだす手法として、脳内の神経ネットワーク形成アルゴリズムが人の最適動向と一致するという従来にない全く新しい大胆な仮説のもとに行います。
この様に、全く未知の研究開発分野に踏み込む心境は、幕末の佐久間象山や吉田松陰、西郷隆盛が直接あるいは間接に師事した佐藤一斎の著書「言志四録」にある

 「一灯を提げて暗夜を行く暗夜を憂うこと勿れ只一灯を頼め」

 そのものです。この「一灯」は大阪大学COI拠点の全参画研究者および全参画企業の皆様の叡智と不屈の精神です。是非皆様のご協力をいただき、本目標を達成する所存です。これらの研究成果と社会実装により、大阪大学COI拠点は 日本の発展ならびに人間の幸せに多いに貢献いたします。

︿
Page
Top